第31章 『そうだ!銭湯へ行こう!』~松本×二宮~
しばらくすると、外からワイワイ子どもの声が賑やかに近付いて来てた。
「あ!今日はかず兄だ!ママ~、かずだよ~!」
呼ばれてやって来たのは、こちらも常連さんのご近所さん、みきさんだ。
「かずくん...久しぶりに番台当番~?」
みきさんは、俺より少し年上の近所で評判の美人ママさんだ。
「かず兄!ママのおっぱいこっそり見るなよ~」
「ばっ///」
保育園に通うゆうとに言われて、一瞬赤くなった。
いつの間にそんなマセタこと言うようになったんだよ~、ったく(-ω-)/
「こらっ!ゆう!もう~、かずくん、ごめんね~(^^;」
「いえいえ...」
「でも、そんなこと言われると意識しちゃうじゃんね~///ホントに見ないでよ~(^^)」
「大丈夫です、これ←漫画、見とくんで...」
「ふふふっ、冗談よ~♪」
こんな感じで、時間は刻々と過ぎて行き...
お客さんが来る度に、弾かれたように顔を上げるも、彼ではなくて。
「はあ~...」
俺は大きなため息をついて時計を見た。
気が付けば後5分でお終いの時間になる。
最後の客が、荷物をまとめて帰り支度をしている。
張り切って美容院まで行って臨んだ番台だけど、お目当てのあの人はこなかった。
そうだよな...
約束って言っても、守ったからって何がある訳でもないしさ...
仕事で抜けられなくて、銭湯どころじゃなくなったとしても、何の不思議もない...
「はあぁ~...」
もう一度、大きなため息をついたその時。
「はあ、はあ、はあ...」
息を切らして、紫のシャツの人が駆け込んできた。
「遅かったかあ~...もう締める時間ですよね~?」
「あ、いや、えっと...」
「打ち合わせがなかなか終わんなくって、もうイライラしちゃいました~...」
「そうだったんてますね~..」
「残念!また明日来ます!」