第30章 『炭酸みたいな恋をしよう! scene2』~櫻井×大野~
【智】
『素直になれば』と、ニノが言う。
翔くんに愛してもらえと、俺の背中を押す...
翔くんは、じっと俺を見ている。
その瞳の奥に、赤い欲情の灯が静かに揺らいでいる...
...俺...俺だって、ほんとは...
「...しょおくん...俺を..抱いて..」
「智くん///」
耳まで真っ赤だ、きっと、俺...
羞恥を欲望が越えていく...
ニノにあんなことしないで///
俺だけを見て///
他の人に触れないで///
俺だけの翔くんでいて///
嫉妬の青い炎が、俺の理性と不安の壁を突き崩した。
翔くんが欲しいよ、
翔くんとひとつになりたいんだ。
「智くん...ありがと...優しくするからね...」
翔くんが俺を強く抱き留めてくれた。
涙が溢れて、翔くんの紺色のシャツに染みこんでいく。
「ニノ、潤...ホントにありがとう...俺達、部屋に行くよ...」
翔くんは、俺を胸に包んだまま、潤たちにそう言った。
「頑張って~♪...なんなら、俺達横で手順、教えるけど~?」
潤の言葉に、翔くんは俺の顔を覗き込んだ。
横で、って...そんなのヾ(≧▽≦)ノ
慌てて首を横に振ると、翔くんは、
「ありがと。あそこまで教えてもらったから、大丈夫、だと思う...この先は、ふたりで..」
「了解です!困ったら、いつでも呼んでくださいね~」
潤は翔くんにウインクして見せた。
「...智さん、大丈夫だよ...頑張ってね..」
ニノが、俺を見つめて微笑んだ。
......怖くない訳じゃない。
今でも、不安で逃げ出したいよ~?
だけど...
それよりもっと、翔くんと一緒に知りたいんだ。
その先に、何があるのか...
「智くん、行こう...」
翔くんに手を引かれた俺は、彼に寄り添うようにして部屋を出た。