第30章 『炭酸みたいな恋をしよう! scene2』~櫻井×大野~
......緊張するから、あんまし考えないようにしてたけど...今夜...なのかな~?
嬉しいよ、勿論。
だって待ちに待った、この日なんだもん('ω')
翔くんに愛してもらうんだ...一つになりたい...
そう意気込んで、鼻息荒くしてがむしゃらに勉強した。
......でも...
小さな不安を胸の奥に隠し、俺はそっと翔くんの肩に頭を乗せた。
眠いふりして目を閉じると、翔くんは雑誌の下に隠して、俺の手を取り、指を絡めてくれた。
幸せで...ちょっと泣きそうになる。
目を閉じたまま、すん、と小さく鼻をすすると、翔くんは気付いたのか、繋いだ手に力を込めてくれた。
『泣くなよ...』って、そう言ってるみたいに...
新幹線は、あっという間に軽井沢駅に到着した。
早春の軽井沢は、東京と違って肌寒く、俺はぶるっと震えて肩を竦めた。
潤の親戚の別荘は駅からタクシーで5分位だった。
「......すげっ///」
「でかっ...」
軽井沢の別荘って言っても、普通の家より小ぶりで、部屋も1つくらいしかなくて...
『初めて』とかいっても、雑魚寝なんじゃないか?
って、心配してたけど...
......何これ??潤の親戚って、総理大臣かなんかだったの?
「さあ、入ってよ!!自由に使っていいって、そう言われてるから...」
「マジ、あり得ない広さなんだけど~??」
玄関を入ってすぐ、ニノは小さな鞄を放り出してずんずん部屋に入っていく。
「凄い別荘だね~?」
翔くんは俺と手を繋いだままキョロキョロ見回してる。
「ね~!!ちょっと来て見てよ!!潤!暖炉があるよ~」
はしゃぐニノに笑いながら潤はブーツを脱いで揃えた。
「今、行くよ~!...翔さんと智さんも、入って!すみません...うちのニノが、騒がしくって...」
潤はそう言って舌を出した。