第30章 『炭酸みたいな恋をしよう! scene2』~櫻井×大野~
【翔】
俺達は、ラストスパートをかけた。
エンジン全開。
脇目もふらずに...
まあ、ときどき愛を確かめるためのスキンシップは図りつつも...
智くんなんか、見たこともない追い上げを見せ、先生たちからも、何が起きたのかと揶揄われるほど。
言っておくけどね~?
俺達が、エッチしたという一心だけでこんな頑張ったと思わないでよ~?
特に智くんにとって、それはあまりに不名誉。
まあ、正直いうと、それも多少はあった...
それは否定しないよ~
だけど。
そうじゃない部分で...今までこんなに何かに打ち込んだことなかったんだって...
自分の限界まで追い込んで、目標に向かった経験がない...サッカー部のマネをしてたけど、やっぱりどこか選手のやつらとは距離を感じていた...と。
「俺ね...翔くんと同じ気持ちで頑張れていることが、嬉しくってたまらないんだ...」
なんて、目をキラキラさせて言うから、俺は胸がキュンとなっていた。
補足だけど、ニノ達に例の話をした。
あ~、したのは智くんだよ~?
申し訳ないけど、その場にいて一緒に頭を下げるのは、やっぱり抵抗があってさ...
「俺、全然平気だから、お願いしてみる♪」
そう天使みたいににっこりした智くん...
そんな、とんでもないお願いなのに...だ。
「俺はいいっすよ!かずさえ良ければ」
と潤はあっさり承諾。
ニノも、
「恥ずかしい気もするけど、他ならぬ智さんの頼みだし...合格祝いって事なら、分かりました」
そうOKした。
しかも、場所は、潤の親戚の別荘が軽井沢にあって、そこを貸してくれるっていうことになったらしい。
...合格したら...
呪文のように繰り返し、その努力は、報われた。
俺と智くんは、第一志望に見事に合格した。