第5章 『智とかず』 ~櫻井×相葉~
忘れられなかったから、
想いだけが募る、そんな毎日…
その日は朝から雨で、
折角の土曜日だけど、
公園に行く気にもならず、
俺も智と一緒に、
窓から外を眺めていた。
そのとき…
雨の中を、こっちに向かって走ってくる、
小さな茶色いものが…
「わん!わんわん!!…わんわん!!!!」
「智…あれ、もしかして…」
俺は慌ててアパートのドアを開けた。
すると、階段を駆け上がってくる、かずが…
俺より先に智が飛び出し、
びしょ濡れのかずを迎えた。
「「くぅ~ん、くぅ~ん…」」
鼻を鳴らして、身体を摺り寄せる二匹。
「かず!そんなに濡れて~、おいで!」
かずは俺の腕に飛び込んだ。
びしょ濡れのかずは、
嬉しそうに俺の顔と口を
ペロペロ舐める。
「かずぅ~やめろよ…くすぐったいって~…あ!いたっ///」
ふと見ると、俺の脚に智が噛みついていた。犬のくせに、やきもちかよ(^^;
それから俺は風呂を沸かし、
かずを入れてやった。
すると横から、呼びもしないのに、
智が湯船に飛び込んだ。
「ちょっとぉ~///智!なんでお前も入ってんだよ~」
俺の声なんか聞こえないふりのあいつは、
お湯に浸かりながら、
かずの身体を何度も舐めていた。
……智…お前も、寂しかったんだな~(^^ゞ
可愛い二人に、しばしほんわか、癒されていると、
携帯が…
(翔さんだ!!)
慌ててでると、彼から焦った声で、
「かずがいなくなったらしくて…もしかしたら」
「翔、かずは家に来てるよ…」
慌てて答えた俺の声は、
裏返ってしまい、
恥ずかしかった……久しぶりなのに。