第29章 Happiness~櫻井×二宮~
...妙な、胸騒ぎがするんだ...
なんの根拠も確信もない...
でも...
俺はじっと手の中にある、1枚の紙切れを見つめた。
かずから宝くじを受け取った俺は、急いで携帯で当選番号を検索した。
かずはそんな俺のことは気にしないで、
古紙を要領よく束ねていた。
......
えっと~...これだな...
一等の番号は...
.........
えっ!?
嘘っ??
これって...??
そこに表示された番号と、俺の手に持ってる番号は、全く同じ...ということは...
......
「...かず...来て...」
「え~、なあに~?翔さん...」
のんびりした口調でかずが俺の側に来た。
「かず...これ、見て...」
「さっきのヤツ~?どうだったの?1000円当たってたとか♪」
かずは俺の携帯と宝くじを見比べたまま、何も言わない。
「かず...どう?」
「......なに?何で、同じなの?」
「かず!!同じってことは、どういうことか分かるよね?」
「......」
「かず!!一等だよ!!5000万円!!かず!!当たったんだ!宝くじ!」
「...翔さん、これって、ドッキリ?」
「違うよ!かず!店で配った中の当たりくじ、俺がもらってたんだ!これで、かずは自由になれるよ!」
「...自由、って...翔さん...これ、夢?」
夢じゃない///
夢じゃないんだ///
神様って、ホントにいたんだ///
俺は、かずを抱き締めて部屋の中でぐるぐる回った。
もう、興奮して、どうしていいか分かんなくなって。
何度も何度もかずと一緒に回ったから、目が回って部屋の真ん中に転がった。
かずを胸に抱き締めたまま、転がった...