第29章 Happiness~櫻井×二宮~
「ホントに?」
「ホントに。ず~っと、一緒に居よ...ずっと」
「来年も?」
「来年も、再来年も。」
「じゃあ、10年後は?」
「10年後も、20年後も...かずがさ、しわしわのおじいさんになっても、ずーっとだよ。」
するとかずは、唇を窄めて、
「しわしわのおじいさんになんか、なんないし///」
と拗ねた。
俺はその唇にそっと触れるだけのキスを落とし、
「かず、シよっか?」
と言った。
翌日、かずが用意してくれた朝食を食べ俺は新聞を読んでいた。
かずは、今日は古紙の回収があるからって、せっせと溜まった新聞や雑誌を束ねていた。
ほんとに。
かずは甲斐甲斐しくよく働く...
まるで、可愛くって気が利く奥さんを貰ったみたいだ。
かずは、週の半分は家に来ていたから、もう、家の中のこともよく分かってくれていた。
「翔さ~ん、いらない広告があったら一緒に出しちゃうから、持ってきて~?」
「...ほ~い...」
気のない生返事をしながら、新聞から目を離さないでいると、
「あれっ?何だ?これ...」
かずが何か見つけたらしい...
何だろ~...?
エッチな雑誌は、この間一人の時にこっそり捨てたし...
↑捨てたんだね、やっぱり..(^^;
「これかな~、夕べ言ってた宝くじって...」
宝くじ...?って、なんだっけ?
そんなの買ってない...
...って///あ―――っ!!!
「かず!あ、あったの!?」
「うん...この新聞の間に...これ貰ったのって、広島が優勝した日だったみたいだね~?」
かずが見せた新聞は、カープ優勝の号外だった。
そうだった///
あの日は飲んだ帰りに駅で号外を配ってたんだ。
それを何となく貰って、居酒屋で貰った宝くじと一緒に持って帰ったんだ、俺。