第4章 『Crime and Punishment』 ~?×?~
─────夕方の病室。
オレンジ色の夕日が差し込む静かな部屋...
俺は昼間、何度か指先を動かせることに気付き、挑戦し、目を開けようと必死にもがき、
いつもの何倍も疲れて、
珍しくこの時、深く深く眠っていた。
今まで動かなかったものを動かすのって、
こんなに大変なんだ...
苔の中に埋もれた岩を掘り出すみたいに...
深い海の底から、宝箱を引き上げるみたいに...
少しずつ、
ほんの少しずつだけど、
俺は身体の感覚を思い出そうとしていた。
そして...
疲れて眠る俺の耳に、
今日も聞こえてきた、
あの...声と音...
潤と雅紀が、
俺のベッドの横で、
唇を重ねている...
次第に激しくなる水音と、
衣擦れの音...
それは、そこで何が行われているのか、
俺に容易に想像させた。
......見なくても、分かってる。
今日もだ...
わざとだろ...
俺の横で、そんなことするのは、
スリルと背徳感の中での行為が、一層気持ちを高ぶらせている...『いけないことしている』っていう罪悪感が、二人をさらに燃え上がらせてるんだ...
何度も何度も、
聞かされてきたその行為の声と音...