第27章 『番狂わせ狂詩曲』~大野×櫻井~
俺達はダイニングで、智くんのお袋さんの手作り弁当を食べた。
おいなりさんに太巻き。春巻きと甘い卵焼きも、抜群に旨かった。
今頃俺の親も、『いつもありがとね~❤』なんて言いながら、食ってるに違いない...(-_-;)
「あ~、これ、うんめっ♪」
「たくさん食べてよ~、母ちゃんいつも、翔くんはホントに美味しそうに食べてくれるから作り甲斐があるって、そう言ってんだ~」
「まりれ~?」(注:マジで~と言っている)
「もう、ここにご飯付いてる...」
智くんはそう言って、俺の口元から取ったご飯粒を、自分の口に運んだ...
......(゜゜)
何動揺してんだ?俺!!
こんなこと、初めてじゃないじゃん///
俺は、ドキドキする気持ちを悟られたくなくて、
「こ、コーヒー入れるよ~。う、旨い豆仕入れたんだ~」
「やった。ホントに~?翔ちゃんの入れるコーヒー、大好きなんだ~♪」
そう、ふんわり笑う智くんから、慌てて目を反らし、俺はキッチンに逃げ込んだ。
......何だよ??なんなんだよ?マジで...
俺、頭がおかしくなったのか??
智くんに、なんでこんなドキドキしてるんだよ!?
自分を落ち着かせようと、智くんに気付かれないように、ゆっくり息を吐いた。
「ねえ~、翔く~ん、翔くんの持ってるDVD、貸してくんな~い?」
「あ~、いいよ...何?」
「あ~、うん..探したいから、部屋行ってもいい?」
「いいよ、勿論。コーヒーそっちで飲もっか?持ってくから、先行ってて~」
「はーい」
良い香りの、トラジャコーヒーが入った。
俺はトレイにマグカップを乗せて2階に上がっていった。
「いいのあった~?」
ドアを開けると、俺のベッドに智くんが寝転がって、漫画を読んでた。