第27章 『番狂わせ狂詩曲』~大野×櫻井~
その日は、会社に行っても、智くんのことが頭から離れなくて。
あんなこと言って笑ってさ。
しかもなんか笑顔が爽やかときてる...
俺を揶揄かいやがって(-_-#)
自分だって馴染みのお姉さんいるくせに!
ティッシュ片手にこっそりヤッてるだろ~?
.....そうだよ。
健康な男子なら、誰でもお気に入りのDVDと右手の世話になってるっつ~んだよ!
恥じることなんかないさ。
俺は自分自身にそう言い聞かせた。
開き直って何が悪い?
そうだよ。
俺が狼狽えるから智くんは面白がってんだって。
今度その話題を振って来たら、
『いいとこだったのにさ~!ふざけんなよ~』くらいに言って、スルーしてやろう。
そう思い込もうとしたら、ほんの少しだけ気が楽になった。
そう決心した途端。
朝バッタリ智くんに会わなくなり、俺は肩透かし的な気持ちにもなったが、まあ、ほとぼりが冷めるまで、顔を合わせないに越したことなはい。
そして次の週末。
親は、智くんちと温泉に泊まりに行くとかで、朝からバタバタしていた。
「舞~!夕方洗濯物入れといてね~」
「え~!私友達と午後から出掛けるの。今日は泊まって来るから無理~!」
あいつめ。男のとこだな~?全く、最近の女子大生っていうのは...(-"-)
「お兄ちゃんに頼めば~?どうせ暇なんだから~」
ふ、ふざけんなよ!俺だって、泊まりに行く女の、一人や二人...
「翔!洗濯入れといてね~!」
......俺も、実は、デートが...
「しょお~!?」
「分かったよー///」(-_-;)
.........どうせ。特に予定もありませんよ~
折角の週末、出掛ける予定もないですよ///
俺はもう一度、布団を被ってふて寝した。