第27章 『番狂わせ狂詩曲』~大野×櫻井~
翌日。
智くんに普通な顔して会うって、そう思ってたくせに、やっぱりいつもより早く家を出た。
智くんに会わない時間...
我ながら俺も意気地がないぜ///(-"-)
いつもよりも30分早く家を出た俺は、駅前のコンビニで缶コーヒーとパンを買った。
早く出るから、朝ご飯食べる時間がなかったんだ。
レジで会計していると、
「あ...」
「翔くん」
.........(;一_一)
何でだよ...お前に会いたくなくて早く出たのに。
何でお前も早いんだよ...
「おはよ~、翔くん、今日は早いね~」
「さ、智くんこそ...」
「ああ、俺朝一で会議なんだ~、資料のチェックしとこうと思って」
「そっか..ちゃんと仕事してるんだ~」
「当たり前だろ~!」
俺達は、いつものように他愛もないことを話しながら駅まで歩き、ホームに並んで電車を待った。
...なんだ、気にすることなかった...
そうだよな~。
智くんだって、気にしちゃいないんだ...
別に、どうってことないんだもん...
当たり前のこ..
「ねえ、あの続き、したの?」
急に耳に口を寄せて、こっそり智くんがそう言った。
「はあ~??な、な、な...」
「ふふふっ、落ち着けって~♪」
パニックの俺とは対照的に、智くんは何か余裕で。
んで、なぜか少し嬉しそう...そして、
「今度、ちゃんと見せて❤俺に、シテるとこ♪」
と、耳元で囁いた。
「な、な。なんで..」
「シー...声が大きいってば~♪
俺あの後、なんだか翔くんのことが気になっちゃってさぁ~...
ほら、あんなとこ、見たの初めてだし❤」
「あ、あ、当たり前だろ~?」
智くんは唇に人差し指を当て、クスクス笑った。