第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
「あのお面~?知らない...女の子、だよね?」
「あれはね、ドキンちゃん、っていって、アンパンマンの中のキャラクターなんだよ♪」
そうだったんだ...そう言えば、翔くんの被っていたのも、しょくぱんマンだから、仲間なのかな~?
「あのさ、あの赤い子、ドキンちゃんは俺の被ってた、しょくぱんマンのことが好きなんだよ」
「え、そうなの~?」
「そう。そう言う意味で智くんに被せたのに、全然分かってくれないしさ...」
そうなんだ~!分かんなかったよ~...
「ごめん...翔くん、詳しいね、アンパンマン..」
「弟の修がさ、アンパンマンのヘビーウォッチャーで。俺もたまに観ちゃうんだ~」
翔くんがアンパンマンをみてる画を想像して、俺は吹き出した。
「何だよ~!バカにしただろ~、今!」
「はははっ...してないって!」
「してた!!」
「可愛いって思ったの~!」
少しじゃれ合ってたら、お互いよろけて、通りのショップの壁に押し付けられた。
....あ、なんか、これって...もしかして...
「...智くん..」
「...翔くん..?」
見つめ合って、
ゆっくりと、
翔くんの顔が近付いて来る...
これって...続き...だよね?
綺麗な翔くんの目を、ずっと間近で見ていたいけど...
俺は、ゆっくりと目を閉じた...
その時。
「いいなぁ~、仲良しでぇ~...おじさんもチュウしたいな~...」
「邪魔すんなよ~...今から、いいことなんだから~...ね~♪お兄ちゃんたちぃ~」
横を酔っぱらった親父の二人連れが、
追い越していった。
「ダメだ!!こんなとこじゃ...」
「うん...そだね..」
「ごめん...智くん...」
「うんん~...」
俺達は、何だか恥ずかしくて俯いた。