第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
でも俺、もう後夜祭なんか出たくないから、帰ろうとしてたのに...
帰っちゃってたら、どうしたんだよ...
「あ~、それはちゃんと村上に頼んでおいたんだ。絶対に智くんを告白ステージに連れてきて、って...」
「えっ?じゃあ、村上は、その...知ってたの?」
「うん...仲良かったからさ、智くんと。
俺んだから、手を出すな、って...そう言ってた..」
お、俺のって///
思わず赤くなる俺に、翔くんは、
「智くんさ、俺がどんなに好きって言う目で見ても、全然気付いてくれなかったでしょ~?」
そう、少し拗ねた顔して言った。
か、か、可愛い...(≧▽≦)
翔くんが、そんなこと思って、そんなことしてたなんて全く気付かなかった...
村上のヤツ...知らん顔しやがって///
すると、翔くんが俺の手をすっと掴んだ。
「えっ?」
「...手、繋いでも、いい?」
「も、勿論!!あ、でも待って!」
俺は一回手を離し、ズボンで何回も擦ってから、もう一度手を出した。
「ふっ、智くんて、やっぱ面白い...」
翔くんはそう言って笑いながら、
それでも俺の手を取って、指を絡めた。
...これって、恋人たちがする『貝殻繋ぎ』
嬉しくって、舞い上がった俺は、
そのまま翔くんの手を引きっ張って、少し背伸びして、ほっぺにキスをした。
「さ、さとしくん...」
翔くんは、少し赤くなって俺の唇が触れたところを手で触った。
なんかさ、ホントに...
マジで翔くんて、可愛い❤
あ、
そう言えば、
「あのさ、翔くんのクラスの『縁日』で、翔くんがくれた、赤いお面、学校に置いてきちゃった~!」
すると翔くんは笑って、
「あの赤いお面って、誰だか分かる~?」
と、悪戯っぽい目で俺を見た。