第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
「わあっ!!びっくりした~」
帰ろうと、部屋を出ようとしたところで、村上にぶつかりそうになった。
「おお、顔色良くなったやん!もう大丈夫やな!迎えに来たで。」
「いや、俺は...」
すると、一緒に来ていた横山が、
「今日の功労者は、大野神父やさかいな~♪後夜祭にお連れしますわ~」
「いや、だから、俺は...」
ふたりに両脇を抱えられ、俺は後夜祭があるグランドへと拉致られた。
......嘘だろ??
これから真っ先に『告白ステージ』じゃんか。
翔くんの愛の告白、見せられるなんて、死んでも嫌なのに...( ;∀;)
結局俺は、グランドで後夜祭に参加することになってて。
「よ~し!!櫻井の告白、1番前で見守ったるで!!」
張り切る村上に連れられて、ステージの真ん前を陣取った。
......神様は、意地悪だ///
俺を、どこまで地に叩きつければ気が済むんだよ(:_;)
さっき神父したのに。
お友達じゃないのかよ~///
でも。
考えようによっては、これでいいのかもしれない。
嘘じゃないって...目の前で起こってることは真実なんだって。そう思えば、諦めがつくかもしれない...
俺の中の翔くんに、さよならできるかもしれない...
それが、どんなに辛く悲しい事であったとしても。
実行委員の仕切りで、後夜祭のメイン『告白ステージ』が始まった。
マイクで、生徒に向かって告白するやつを募る。
『ハイ!』勢いよく手を上げる1年生。
勿論仕込みで、始めから告白する何人かは決まってる。
......もしかしたら、翔くん、飛び入りなんか、しないかも。
この期に及んで、まだ、0.01%の望みを捨てきれない俺って...相当女々しい奴だな...自分で、自分に嫌気がさす。