第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
そして俺は、保健室のベッドの上。
......何でだよ...
俺は帰りたかったんだ...
家に帰って、自分の部屋で、誰にも気兼ねせずに、布団を被って泣きたかったんだ。
なのに......
「大野く~ん?大丈夫?真っ青だったもんね~?整腸剤飲んだから、落ち着くと思うわ...後夜祭に、間に合うといいね♪」
校医のおばちゃん先生が俺にウインクして見せた。
......後夜祭になんか、間に合わなくていいんだよ~。
しかも俺、腹なんか痛くないし(-"-)
整腸剤なんか飲んで、逆に大丈夫なのかな?便秘になったりしないのかな?
↑大丈夫です(^^♪
何でこうなったんだよ...
帰りたい...
翔くん...
翔くん......
心の中で、名前を読んだら泣けてきた。
俺は、布団を被って、声を殺して泣いた。
もう、翔くんを好きじゃダメなんだ...
翔くんは、今日から生田のものになる...
大好きだったけど。
もう、届かない...届けちゃいけないし、受け取ってなんかもらえやしない...
ごめんよ...俺の初恋...
ちゃんと伝えることもしてやらないで、
叶えるどころか、見てるだけで終わってしまった...
暫くは、翔くんの顔なんか、見れないよ///
どのくらいたっただろう。
部屋の時計を見たら、6時になろうとしてた。
もう直ぐ後夜祭が始まる。
......家に帰ろう。
校医の先生には、良くなったけど、後夜祭に出るのはちょっと無理だから、家に帰ります。
って、そう言おう。
俺はノロノロとベッドから起き上がり、靴を履いて、寝ていたベッドを整えた。
隣の部屋に行くと、先生は不在で、後夜祭の開始を知らせる校内放送が聞こえてきた。