第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
それからの俺は、もうマジで訳が分かんないし...
来る人の言葉も上手く入ってこない状態で...
『目が合うと逃げる、好きな人!?』
確か翔くん、そう言ってたよな...
好きな人...
翔くんの好きな人って...
「あのぉ~...それで、どうすれば~?」
「え?あ、ごめんなさい...が、頑張ってください!」
「は?いや...」
「大野~?次行くで~?」
お客が行ってしまったら、俺は係の村上に、
「なあ、誰か変わってよ!俺、ちょっと急用で...」
「なんや?う〇こか~?」
「あ、まあ、そんなとこ」
「しゃあないな~...じゃ、行って来~や!こっちは何とかしとくし!」
「悪い!!」
俺は急いで、神父の服を脱いで教室を出た。
人に人生相談は、もう無理だ。
そんなことより、
翔くんにあって、確かめたいことが...
さっき言ってた、『気付かないやつ』って...
もしかして...
翔くん!
どこ?...どこにいるの??
俺は翔くんの教室の方に走って行った。
廊下には人が多くて、上手く走れない。
あ、いた!!
階段の下に翔くんの背中を見つけて、俺は、急いで声を掛けた。
「しょ..」
「翔。あのさ、この前言ったことだけど..」
俺が声を掛けるより一瞬早く、翔くんの向こう側にいた生田が、翔くん呼び留めた。
俺は、慌てて隠れた。
「あ...」
「いつになったら、返事してくれるの?」
翔くんに詰め寄る、切羽詰まった感じの声は、間違いなく生田の声だ。
「うん...そのことなんだけど...」
ど、ど、どしよう!!
告白の返事~???
俺、ここで聞いてちゃダメなヤツ...だよね?
でも...脚が固まって、動かないんだよ///
耳、塞ごうかな~?
すると、誰かが生田を呼ぶ声がして、ふたりの話は、中断した。