第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
同じ高校の後輩。
『どうしたら、成績があがるか?』
「勉強するしかない」
小学生の子ども。
『ママに叱られなくするには?』
「お手伝いを頑張ればいい」
その子どものお母さん。
『子どもがゲームばっかりしてて困る』
「ゲームの会社に就職させよう」
他校の女子高生。
『痩せたいけど、大好きなアイスが止められない』
「太っている方が、飢餓には強いでしょう」
......どうでもいい悩みとも言えない悩みに、俺は的確な答えを出していった。
我ながらいい出来だ。
俺って、神父に向いてるかも...
「次、いいよ~」
「大野~、絶好調じゃん!ほな、次な」
「さっきは、どうも...」
...え......嘘っ///
少し照れたような、笑顔の翔くんが俺の前にやって来た。
「翔くん!!」
「さっきは来てくれてうれしかったよ~」
「あ、いや、えっと...」
翔くんは優しい笑顔を俺にくれて、
「でさ。悩みに、答えてくれるんだよね?」って...
「あ、うん...」
「えっと~...恋の相談もあり~?」
...恋??恋の、って...
「好きな人にさ、好きな素振りで接しても、全然気付いてもらえないんだけど...どうしたらいいかな~?」
...好きな人に...気付いて、もらえない..?
「どうしたらって...」
「俺は、伝わってるって思ってるんだけどね?何か、目が合うと反らすし、会うと逃げるし...」
......何?それって、どういう...?
「どうしたら、いい、俺?」
「どうしたらって...それは、あの...えっと...」
「大野~、次詰まってるから!」
早く先に進めろの催促だ。もう///こんな時に!
「えっと...ちゃんと、つ、伝えた方が...」
「やっぱそうか~!!...分かったよ、ありがと。智くん...じゃ、頑張ってね!」
翔くんはそう爽やかに言い切り、行ってしまった。