第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
文化祭は始まった。
自分の当番までの空き時間、横山や村上たちと模擬店を回った。
「大野~どっか行きたいことあんの~?」
「今度はさ、大野の好きなとこ行こうぜ~」
そうだよ。
俺は二人に引っ張り回されて、もうお腹いっぱいだよ~
焼きそばにクレープも付き合った。
トルコアイスは、まあ美味しかったけどね...
「俺は~...別に」
「そうや!櫻井のとこ行こうや~!」
「え...」
「朝会ってな。来てくれたらサービスするって!」
翔くんのクラスは『縁日』がテーマで、金魚すくいやわたあめ、射的コーナーにボンボン釣り。お面屋さんに輪投げもあった。
メインは、イケメン当てくじ。
なんと、クラスの男子が3人。
1番目のくじで3人の中の誰か、
2番目のくじで①ハグ、②壁ドン、③キス(唇はごめんなさい)が決まるらしく。
そのコーナーは、他校の女生徒や中学生で賑わっていた。
...あっ、翔くん。
その3人に翔くんの姿を見つけて、俺の心臓は跳ね上がった。
翔くんが...ハグ?壁ドン?...キ、キ、キ...
↑心の声なのにもうパニック///
「男子校ならではやな~、あの企画...」
「櫻井のあのふて腐れた顔...ちょっと、冷やかしにいこうか~?」
「俺らもくじ引かせて~!」
ちょっ、やめてよ!俺やだよ///
俺はその場から逃げ出そうとした。そしたら、
「智くん!」
翔くんの声に固まった。
恐る恐る振り返ると、奥の椅子に座ってた翔くんが、俺のとこまで机を飛び越してやって来た。
頭には、斜に乗せたお面が...これって、確か...しょくぱんマン...だっけ??アンパンマンのお友達の..?
...カ、カッコイイ❤
「くじ、やってく~?」
「いや、俺は...」
もごもご言ったけど、聞こえなかったのか?係の小山が俺の前に来て箱を差し出した。