第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
翌朝。
バス停から一人で学校に向かっていると、
「智さ~ん!!」
後ろからニノの自転車が追いついてきた。
「おう。おはよ」
「今日は早いっすよね~?」
...確かに。
今日はいつもより1本早いバスに乗ったんだ。
「なんかさ~、目が覚めちゃって...家に居てもしょうがないから、早く来たんだ...」
そう言うと、ニノはさっと自転車を降りて、俺に顔を近付け、
「とか何とか言っちゃって~♪ホントは、翔さんとのミサンガ、俺に見せつけたかったんでしょ(^^♪」
「ち、ちげ~わ///」
急にそんなこと言うから、俺は真っ赤になった。
するとニノは、
「ホント、可愛いな~、智さんって♪
これだから、翔さんメロメロなんだろうな~...」
ニヤニヤして俺の反応を伺うニノの頭を、一発殴っといた。
全くもう!!先輩を敬えっつ~の!
揶揄いやがって///
俺はニノと離れて昇降口から西棟に向かった。
すると、翔くんが同じクラスの生田と二人で渡り廊下を歩いてきた。
「あ...」
「...あっ」
「おはよう、智くん...」
「おはよ...」
翔くんの目が何か言おうとした、その時。
「翔。朝のうちにこれ、印刷しとけってよ、急ごう~」
生田が割って入った。
「ああ..そうだな...智くん、じゃあ、また」
「う、うん...またね..」
翔くんの手首を掴んで急ぎ足になる生田は、廊下を曲がるとき、一瞬俺を振り返った。
...えっ?
その挑戦的な目に、俺はその場で固まった。
「あれ..櫻井と同じクラスの生田やろ~?あの二人、付き合ってるって噂だよな~?」
俺に肩を組んで耳元で言ったのは、クラスメイトの横山。
俺はその言葉に、思わず固まった。