第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
こんな、蛇の生殺しみたいなことしてないで、
さっさと断ってくれよ...
『考えさせて』ってさ、何を考えることがあるんだよ?
俺のことが嫌いなら...さっさと『無理』って。
そう言ってくれていいんだ...
俺きっと、
そんなに、傷付かない...から...
↑思いっきり影背負ってるけど|д゚)
グランドでバケツやタオルを用意していると、
翔くんが着替えて雅紀とやって来た。
俺は見て見ない振りをして、着替えのユニフォームを揃えていた。
すると、雅紀から離れて翔くんはベンチまで走ってきて、
「智くん、あのさ...」
言いながら、隣のニノをチラチラ見てる。
ニノはそれに気付いて、
「あ、そうだ!救急箱、取ってこよ~」
と、急いで走って行ってしまった。
ふたりっきりになった...
別にこんなの珍しくないのに、心臓が飛び出しそうだ。
「ミサンガの...返事遅くなっちゃったけど...」
「う、うん...」
「えっと...こちらこそ、お願いします..」
「え...?」
翔くんはそれだけ言うと、グランドに駆けて行ってしまった。
......嘘...うそだ...
翔くん...マジで??
呆然と立ち尽くす俺の肩を、ニノが思いっきり叩いた。
「ってえ~///」
「ちょっと!翔さん、何だって??」
「うん...交換...するって..」
「マジで??やったじゃないっすか!!」
ニノが自分のことみたいに喜んでくれるのを、ぼんやり見つめた。
なんかさ。
実感なくて...
だってもう、絶対ダメだって思ってたんだから。
翔くんは俺のことなんか、何とも思ってないんだって。
断られた時のいい訳考えて、
その後もできるだけ気まずくならないようにしようって、シュミレーションしてた。
なのに......
翔くん...翔くん...しょうく~ん///
叫び出したかった。