第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
役員による講習会が始まり、
俺は簡単に編み上がっていった...
なんだ...簡単じゃん。こんなの...
「あれっ?おかしいな~?これ..どっちが..」
翔くん......安定の不器用さだ(-ω-)/
教えて...
あげようかな~?
声を掛けようかとしたその瞬間、
「もう~、翔さん、不器用過ぎすよ~。
ほら、こっちが上で...」
「しょうがないだろ~、初めてなんだから!!」
隣から雅紀が手を出した。
翔さんと指を絡ませ、
↑嫉妬のあまり、こう見えるらしい(^^;
雅紀はミサンガの作り方を翔くんに教えている。
......あんな、密着しやがって///
もう俺には、
ミサンガの赤い糸が、雅紀の小指と翔くんの小指を繋いでいくようにしか見えなかった。
堪らず席を立つと、
「あれっ?もう帰るんすか?」
「うん...もう分かったし、後は一人でできるし...」
「じゃあ、俺も...」
ニノは、慌てて俺についてきた。
「智くん、後で...」
翔くんに声を掛けられ、俺は後ろを向いたまま手を挙げてその場を去った。
「ちょっと、智さん!折角翔さん来たのに...」
「...いいんだ...」
俺はもう、早く家に帰って、布団を被って現実逃避したかったんだ...
だけど、この後練習がある。
「ミサンガ作り、翔さんが参加したの初めてですよね~?それって、智さんと交換するためでしょ?絶対!」
...ニノ、お前のポジティブさが羨ましいぜ。
ああ、もう、死刑宣告するなら、
いや、もうそんな甘いもんじゃないな。
『智くん、ごめんね』は
俺にとって、宣告なんて甘っちょろいもんじゃなくて、
もう、ギロチンの刃が落ちてくる瞬間だよ...