第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~
ニノは、作れるけど、俺に付き合って出るって言ってくれた。
交換の予定もなかったから、今までは関係なかったけど、今年は一世一代の『お願いします』したし。
例え答えが『ごめんなさい』であっても、
やることは、ちゃんとやっておこう、かな...
練習後も、部長会があるとかで、翔くんとは顔を合わせず、その晩も結局返事はなかった。
鉛のように重い足を引き摺って、俺は放課後、ニノと『ミサンガ講習会』に参加した。
「智さん、器用だから直ぐ出来そうっすよね♪」
「...作っても行先、ないし...」
肩を落とす俺に、ニノは、
「また~、そんな顔してると、幸せが逃げていく..あっ!!」
な、なんだよ、急に~...
あ......
「よ、来てたんだ...」
「しょ、翔くん...」
何と、翔くんが雅紀と一緒に教室に入ってきた。
サッカー部の人気者の登場で、周りは一気にざわざわした。
何しろ、翔くんはかなりモテるから、今まで何度も告白されてる。でも、一回もOKしたことがなくて、
巷では『アイツは誰が本命なんだ』と、囁かれていた。
「お疲れ~っす」
ニノが言いながら俺を肘でつつく。
や、やめろって///
今俺、絶対に赤くなってる...
もう~、急に来んなよ~
「隣、いい?」
「う、うん、も、もちろん..」
ダメだ///噛みまくりだ(;一_一)
翔くんの顔をそっと見たその時、その向こう側に座ったあいつが、俺を見てにっこり笑った。
......雅紀...
なんだよ??もしかして、それって、
余裕の笑み、ってやつか?そうなのか??
一緒に来たってことは、そう言うことなんか??
...翔くんの登場で、少し浮上してた俺は、
また一気に深海に沈んだ...