• テキストサイズ

風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第26章 『炭酸みたいな恋をしよう!』~櫻井×大野~



その日から、俺と『櫻井翔くん』は、同じ部活の一員として、一気に親しくなった。

でも、親しくはなれたけど、それ以上の関係にはなれなくて...

友達は、告白しろと言うけど、そんな勇気はどこにもなくて...

俺は翔くんを見つめているしかなかったんだ。

そんなことをしている間に、俺と翔くんは3年生になっていた。


「智く~ん、これ洗っといて!」
翔くんが俺に向かってタオルを投げてよこした。

「わかった~!」
受け取ったタオルを無意識に抱き締める。

...翔くんの匂いだ...

「あ~あ、何やってんですかね~...今時、秘めた恋なんて、そんなの流行んないから...」
2個下のニノが、独り言みたいに言う。

ニノは1年生のマネージャーで、同じ学年の潤と付き合ってる。

ちゃんと彼氏がいるからってさ...余裕な上からの発言が生意気なんだよね...(-"-)

ジロリとニノを睨むと、彼は顎で、グランドの翔くんを指した。


ユニフォームで顔の汗を拭う翔くんの腹筋を触る雅紀。それを避けて笑う翔くん。

雅紀は2年生。
中学から翔くんとは一緒で、彼を追いかけてこの学校に来たって、本人も言ってた。


...仲良くじゃれている二人を、じっと見つめる俺の口は無意識に尖ってて。

「雅紀さんも、翔さん狙ってんのかぁ~?」

「...うるさい..」

お前に言われなくたって、分かってるよ...

翔くんに、思いを打ち明けたいよ~?
でも、もしダメだった時のことを考えると...
勇気が出ないんだよ...

「あの人さ、あんな気遣いできるくせに、そういう事にはマジで疎いから...言わないと気づきませんよ~...」

「....」

ニノは、ぐっと俺に身体を寄せて、ワザとらしく声をひそめて言った。


/ 999ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp