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風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第25章 『シノビノニノ』~大野×二宮~



そう...

智は、嵐結成当時から、翔ちゃんのことが好きだった。

所謂、智の一方的な『片想い』ってやつ。

しかも執念深く、10年以上もずっと好きだったんだ。
気持ち悪いレベルで、何年も...ずっと...

その間、忘れるつもりなのか?
欲望の捌け口なのか?
何度もその辺の尻の軽い女子の摘まみ食いを重ね。

で、遊びのくせに写真撮られて、ドツボにハマる。

性懲りもなく、そんなことを繰り返す中でも、ずっと櫻井翔が本命だったんだ。


そして俺は...

そんな大野智のことが、
ずっと好きだった。

それこそ10年以上...ずっと好きだったんだ。

こっちも十分気持ち悪いレベルだ。


んで、俺も例に漏れず、俺のことなんか見向きもしない智を忘れたくて、言い寄って来る女と付き合ってもみた。

恋愛ごっこもしてみた...でも...

どれも本気になんかなれやしなかったんだ...
女が本気になればなるほど。
心は智を求めてしまう...

好きな人が誰よりも近くにいて、
他の人を好きになれるほど、俺は器用じゃないんだ...


...翔ちゃんを見つめ続ける智を、俺はずっと見ていた。

智はことあるごとに翔ちゃんに好きだって...
冗談めかして伝えていた。
でも、彼は全く本気にしなくて。


そして、俺は...

決して伝えることはしなかった。
智の恋心を、応援するっていう立場を守り続けていた。

相葉さんにはいつも言われてたよ。
『いい加減、告白しろよ』って。
『忍ぶ恋って、今どき流行んないよ』...


そんな一方通行の片想いを経て、今がある。

惚れた一念、何とか...で。
俺の積年の思いはついに智を気持ちを動かし、俺たちは恋人同士になれたんだ。


だから...
いつも俺の心の片隅には、驚異の人物として『櫻井翔』がいた。

いつか、彼に持ってかれるんじゃないかってね。


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