第25章 『シノビノニノ』~大野×二宮~
その二日後。
VS嵐の収録があった。
ベッドで、俺への愛を誓い、俺が不安になるようなことは金輪際しない、と勝手に言い切った智。
「そんな出来もしない約束、しなくていいって」
なんて、可愛くないこと言ってみた。
でもホントは、凄く嬉しかったんだ。
智は口先だけで上手いこと言えない人だから...そう言ってくれたことは、素直に喜ばしい事なんだ。
その日は、後輩のセクシー健人が映画の番宣で来てた。
俺達も、精一杯盛り上げようと、
それぞれの持ち場で頑張っちゃったりして。
そんな中。
『心が叫びたがってるのは誰?』
という、映画に準えたゲームをした時の事。
3人のうち、誰の手に本物のタコが落ちて来たのか当てる、というお題で、
俺は潤くんと智と3人で台の上に。
タコは、智が受け止め、相手チームが俺を指名したので、上手く騙せた...という結果だったんだけど。
その後のトークで、翔ちゃんが、
「大野さんが俺を見るから、目が合っちゃって~」
「そう、俺、翔ちゃん見ちゃって...」
その話に会場からは笑いが起き、そのまま、収録は進んでいった。
まあ、いつもの空気でその日の仕事は終わり。
礼儀正しい健人に激励の言葉を送り、それぞれ帰っていった。
その帰りの車内。
「何かさ~、この間から、健人と仲良しだよね~?」
「はあ?普通でしょ?」
「い~や!目で合図しあってたもん...何か、ふたりの世界っつ~かさ。」
「そんなこと言われたってさ...」
始まったいつもの言い合いに、運転中のマネも、知らん顔。
......
「...じゃあさ。俺の方が好きだって、証明してね!」
「証明しなくたって、分かってるでしょ~...」
「いや、分かんない!あいつ、ニノのこと好きになっちゃうかもしれないし!!」
「そんな訳ないだろう~...」
「明日9時に迎えに来ますから...」
呆れ顔のマネは、俺達を置いて帰って行った。