第25章 『シノビノニノ』~大野×二宮~
俺が、ヒナの送ってくれた動画に、
ここまで怒ってるっていうのには、実は訳があって...
同じ場所で、ふたりでインタビューを受けてる動画は他にもあって。
まあ、何社もの取材を立て続けに受けるっていうことはよくあることで、それはいいんだねどさ。
実は、その前日。
ヒナが送ってくれたのは、俺のことを話してる二人のもので...
大野さんは、俺が撮影現場に顔を出したことを話してて...
それは普通だったんだけど、知念が、
「その後、猫背の二人が帰っていくの、俺見てましたから...」
って...
その日は、たまたま仕事が近くで。
『もうすぐ終わりそうだよ』ってLINEが来たから、びっくりさせようと思って行ってみたんだ。
大野さんは、素っ気ない反応して見せたけど、
俺が見ている1シーン、2回取り直したんだ。
監督さんに『そんなにニコニコしなくていいから』と。
帰ってから家でその話になった時、
「もう、ニノが来てくれたから、嬉しくて、ついつい顔がにやけちゃったんだよね~」
って、言うから。
俺も嬉しくなっちゃって...
その晩は、いつも以上に、サービスしちゃったんだよ。
でも、知念にデレデレ鼻の下伸ばしてんのを見たらさ、あんなに喜んでた俺が、バカみたいじゃん!!
そう思ったら、何か無性に腹が立って...
んで。
今に至る、って言う訳。
いつものパターンだと、そろそろ、聞いて来る筈なんだ。
『何怒ってるの?謝るから言って』
って...
何でも、謝ればいいって、そう思ってることが、まず許せないんだよ!
俺のこと、簡単なやつだって...
ベッドに持ち込めばすぐに仲直り出来るって、そう思ってるとこが、もう、なんか、ヤダ!!