第25章 『シノビノニノ』~大野×二宮~
【 ニノside 】
俺は猛烈に怒っている。
目の前でへらへら愛想笑いをしているこの男に...
今から出してやる飲み物に、
死なない程度の毒でも盛ってやろうかと、
半ば本気で考えてるくらいだ。
夕べ遅く、ヒナこと、関ジャニ村上が、
動画を送ってきた。
『おもろいもん見つけたで~♪』
『関西テレビのインタビューやから、見てないやろ?』
『こんなの、ええのんか?』
ヒナは俺と大野さんの関係を知ってて、
まあ、応援してくれてる、というか、
どちらかと言えば俺よりだから、
いいことも、そうじゃないことも、
こんな風に教えてくれるんだ。
その動画というのが、
映画の番宣で、大野さんと知念が二人でインタビューを受けてるやつ。
『侑李がぁ~..』
....((( ̄へ ̄井)
なんだそのでれでれした顔は!?
まあ大体、ホントは『侑李』なんて、
下の名前で呼び捨てしてんのも、気に入らないんだけどさ。
俺もそういう後輩いるから、
許すよ?
俺、案外 心広いしな~
本音はヤダけどさ!
『いつでも、見てるから~、どこにいるのか、分かっちゃうんですよね~❤』
『うふふふふっ❤』
知念の愛の言葉に、ニヤニヤが止まってないじゃん!あんた(-_-;)
鼻の下伸ばしちゃってさ...
これ見た瞬間、俺の中で、
何かの糸が、プチッと切れた音がした。
『あいつ、許さん!』
俺だけが好きだって、
俺しか見えない、
何て、歯の浮くような台詞、
ベッドでシャーシャー吐くくせに。
平気で、こんなハートの目の後輩にも、
甘い顔して見せる....
今日という今日は、ぜってぇ、
許してやんないんだからね!
「コーヒー、飲みたいかな~?
チョコレートケーキも買ってきたし♪」
嬉しそうに言うあんた。