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風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第25章 『シノビノニノ』~大野×二宮~



『ニノの好きなチョコレートケーキ買って来たよ』

『だから、中に入れて❤』

『話は聞くから』

『怒ってるなら、謝るし』

『顔が見たいんだ~』

『だからお願い。ドアを開けてよ』

既読がどんどん付いていくけど、
誰もレスをくれない。

またあいつ等やってるのかよ...
くらいに思ってるんだろう。


ニノも絶対見てるはずだ。
だとしたら、もう少し頑張れば...

『ニノ、今日のニノさん、面白かったよ~』

『だから、ここを開けてよ』



『ニノ、頼むから開けてやってくれ...煩くて、セリフが覚えられないよ~』
翔ちゃんが助け舟を出してくれた。


......ガチャッ...

開いた!!

俺は急いでドアを開けて中に滑り込んだ。


「よっ!」
軽く片手を挙げて、
出来る限りの爽やかな笑顔を作ってみたけど、そんなの全く見てない彼は、
さっさとリビングに戻っていく。

ふぅ~っ...ニノに聞こえないように、
小さくため息を付いて、
俺も彼の後について行った。


.......真っ直ぐにテレビの前に行き、
コントローラーを握り、
ゲームの続きを始めたニノ。

所在なく、ニノの後ろ辺りのソファーに座ってみたけど、当然ガン無視。

俺のことを気にしてる様子なんか、全くない。

こんな時のニノは、取り付く島もない。

しかしさぁ、
仮にも自分を訪ねて来てくれた愛しの恋人にだよ?よくもまあ、ここまで冷たくできるもんだよ...

俺なら絶対..

「..むの?」
「ほへっ?」

思いもよらず、ニノの方から声を掛けてきたので、変な声、出ちゃったじゃんよ..

「だから~、何、飲むの?」

相変わらず無表情で、ニノは言った。




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