第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜
「今日は本当にありがとう...疲れたろう?泊まらなくてよかったのかい?今からでも...」
「いえ、帰ります。後はよろしくお願いします...あの...雅紀のこと...」
この人に頼むしかなかった。
俺が出来ることは...
今の俺が雅紀のためにできることは、すべてやった。
後はもう、この人の手腕に掛けるしか...
「任せてくれ、きっと刑は軽くなるはずだ。何とかして、執行猶予を付けて見せますよ!」
頼もしい長野さんの言葉に、深々と頭を下げた俺は、夕方の新幹線で、東京を後にした。
雅紀...
早く会いたいよ。
会ってさ、話したいことがたくさんある。
今の生活のこと。
こんな俺に、遠縁のおじもおばも、とてもよくしてくれるから、安心して欲しい。
どこか、ふたりで暮らせる場所に行って、ひっそりと暮らしたい。
雅紀が言ったように、大検を取って、大学に進学する。
目指したい職業の相談に乗って欲しい。
.........今も愛してるって...
今でも変わらず、雅紀だけを思っていると。
......雅紀
早く会って、抱き締めて欲しい...
山並みが近くなってくるころには、もうすっかり暮れていて、俺の顔が新幹線の窓に映っている。
雅紀と離れて、俺、笑ったことあったかな?
雅紀がいないと、笑い方も分からないんだよ...
早く会いたいな...
雅紀に抱き締めて、たくさん愛してもらいたいんだ...
......雅紀と暮らした幸せだった日々を思い、
俺はゆっくり目を閉じた。
神様。
どうか雅紀を、俺に返してください...
もう、いろんなことから逃げないから。
勉強も、精一杯に頑張るから...
だから...
それから、3か月経った頃。
雅紀に判決が下った。