第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜
「どうぞ、読んで見てください。
内容も確認させてもらうことになっていて、
封は開けてありますけど、すみません...」
俺は少ししわになってしまった封筒から、
折りたたまれた白い便箋を取り出した。
開くと、懐かしい雅紀の字が並んでいて、
胸が締め付けられた。
『翔。元気にしてる?
何も話せないまま離れてしまってごめんね。
俺は元気にしています。
心配しないで。
翔と離れて、淋しいけれどね。
一人になって思ったことは、
長い事、翔を学校に行かせることもしないで、
本当にごめん。
学校でしか経験出来ない様々なことを、
俺がすべて奪っていたんだと思うと、
何て取り返しのつかないことをしていたんだろうと、今更ながら、翔に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
でもね。
翔。
人生は何度でもやり直しが出来ます。
翔はまだ若いんだから、尚更です。
もっと楽しいことや素敵な人に出会えるチャンスは、いくらだってあるんだよ。
自分の人生を、自分の脚で、しっかり歩いていって欲しい。
俺が言えることでもないけど。
ずっと一緒にいるという約束は守れなかったけど、翔の輝かしい未来を祈ることくらいは、どうか許してほしい。
翔は頭がいいから、どんな職業だって選べるよ。
何にだってなれる、どこへだって行ける。
大学検定を受けて、
大学に進学するんだ。
俺がいつか、社会に復帰して、
翔の噂を聞くときがあったら、
『頑張ったな』と、
そう思わせてほしい。
身勝手な願いだけど、どうかお願いします。
俺が歪めてしまった翔の人生、
これからは、誰にも邪魔されずに、
しっかり前を向いて歩いていってください。
俺はいつも、翔の幸せを祈っています。
翔と過ごした日々は、宝物です。
今まで本当にありがとう。
頑張れ、翔。
雅紀 』