第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜
..........終わった....
俺から引き離し、ふたりの男は、
雅紀を連れていった。
「雅紀!!やだっ!行かないでよ!俺のこと置いてかないで!」
必死に雅紀にしがみついて行こうとする俺の手を、雅紀はそっと離した。
「翔...強く生きていくんだ。お前なら、出来るよ..」
「やだ!やだよ、雅紀!!」
雅紀は振り向いてニッコリ笑った。
俺の好きな、いつもの雅紀の優しい笑顔...
泣き叫ぶ俺を、何人もの通行人は遠巻きに見ていた。
車に乗せられる雅紀を追いかけたいのに、俺は、ふたりの刑事に抱き留められて動けない...
世の中の音が、一瞬にしてすべて消えた。
雅紀の乗った黒い車の真っ赤なテールランプが、俺の心が流した血の色のようだった。
『....翔くん、落ち着いて.』
『...翔くん、もう、大丈夫だから...』
俺を、落ち着かせようとする刑事さんの声が、段々と遠くなり、やがて真っ白な世界が広がっていった。
雅紀との生活も、
俺が守りたかった大切なものは、
この瞬間に、
消えた...
神様は、
俺が初めて手に入れた宝物を、
簡単に奪っていった。
どんなに悔やんでも。
どんなに叫んでも、
もう、届かないんだ。
雅紀...
雅紀.....
雅紀........
もう...
会えない....!
雅紀に、
もう、
抱き締めてもらえないんだ。