第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜
その日から、外出しなくなり、
また以前のように引きこもってしまった俺を、雅紀は心配した。
「翔、大丈夫だからさ...分かんないと思うよ~
それに、ホントにご両親が探してるかどうかなんて、分かんないし...」
雅紀の言うことは、もっともなんだけど...
でも。
根拠のない漠然とした不安が...
大きくなっていったんだ。
今の幸せなんか...少し風が吹けば、壊れてしまう気がして...
俺に、
こんな俺に...幸せな生活なんか...似合わない気がして...
雅紀との暮らしは、俺の全てだから。
どうしても、守らなきゃダメなんだ。
この日も、ソファで膝を抱えてぼんやりとテレビを観ている俺に、
「翔、たまには出掛けようよ」
と雅紀が誘ってきた。
映画のチケットを貰ったと、雅紀が俺に外出しようと言ってきた。
でも....
「映画観てくるだけだから!暗いしさ、分かんないって!行こうよ...」
それもそうかと思い、俺は着替えて久しぶりに出掛ける準備をした。
玄関で、ドアを開けようとする雅紀の背中が、何だか妙に寂しげに見えた気がして...
「雅紀!!」
気がついたら、思わず呼び止めていた。
「キス...して..」
「どうしたんだよ、帰ったらゆっくり..」
「今したいの!ねえ、雅紀..」
必死にお強請だりする俺に、雅紀は少し苦い笑いながら近付いてきて、
そっと唇をおとしてくれた。
雅紀...
離さないで、俺のこと。
ずっと横に置いてね...
俺から首を引き寄せると、
キスはもっと深くなった。
唇を離した後、ニッコリ微笑んだ雅紀は、優しく、
「ほら、行くよ♪」
と言った。
その笑顔が、俺のことこの先もずっと、守ってくれる....そう信じて。
俺は雅紀の手を取った。