第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜
怖くて....
雅紀の顔を見ることができない俺に、
彼は静かに話し始める。
「始めは、もちろんそんな気持ちはなかった。それまでは普通に女の子が好きだったし、付き合ってる人もいたよ...
それが、いつの間にか、自分でも分からないけど、変わっていったんだ。
翔への気持ち。
それは、世間的にも絶対に許されることではない、そう思っていたけど....
分かっていたけど...
同情を愛だと、勘違いしてるだけじゃないかって。
でも、いつからか。
翔のことを、恋愛対象として、見るようになっていたんだ...」
俺は雅紀の言葉が嬉しくて。
でも信じられなくて。
黙って顔を上げ、雅紀の顔を見つめた。
「翔が、親といて何があったのか、
それは、翔が話したくなったら、
聞けばいいと思ったし...
話したくないのなら、一生聞かなくてもいいって、そう思っていた。」
...そう。
雅紀は聞いてこなかった。
何ひとつとして。
俺がどうして家に帰りたくないのか、
世間との絆をすべて断ち切っても、
雅紀といたいのか。
何も聞かずに、俺を側に置いてくれた。
俺のことを、
あの人たちから守ってくれた。
ほんとは。
ちゃんと話さなきゃいけなかったのに。
俺は、雅紀に嫌われたくなかったんだ。
汚い人間だと、
そう思われるのが怖かったんだ...
「翔...俺さ、翔のこと思って、一人でシテたよ...翔の前ではすました顔してさ...
だから、翔のこと攻めることなんかできないんだよ...
翔...こんな俺...汚いって、そう思う?
俺に触られたくないって...そう、思う~?」
「雅紀!!」
俺は迷わず、目の前で申し訳なさそうに眉を下げる、愛しい人の胸に飛び込んだ。