第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜
「雅紀、雅紀、雅紀...」
彼の匂いのするYシャツに顔をつけ、
俺はその身体にしがみ付いた。
「汚いなんて、思う訳ない!触りたくないなんて...
そんなこと...
俺はずっと、雅紀に触れたかった...
抱き締めて欲しかった...
雅紀と...愛しあいたかった...」
俺の言葉に、雅紀は背中に回した両手に力を込めて、
「嬉しい...翔...大好きだよ...翔が...」
と言った。
幸せで...
信じられなくて...
涙が雅紀のシャツを濡らした。
たった一人で逃げ出してきてから、
ずっとこの人といた。
外に出たことも数えるほどで。
俺の世界の全てが雅紀だった。
幻想でも、依存でもない。
俺は確かにこの人が好きだ...
「キス...したい...」
耳元で、雅紀が囁く...
今まで聞いたことのない、甘い艶めいた声...
「...恥ずかしいよ...」
改めて言われると、どうしていいのか分かんなくて。
すると雅紀の指が、俺の顎にかかった。
ゆっくりと引き上げられて、
雅紀の綺麗な瞳に吸い込まれそうになる...
......なんて綺麗なの?
ずっと俺のこと、見守って来てくれた目だ...
でも今は、いつもと違って...
「しょう...目、瞑って...」
あ...そっか。
そういう事か...
俺はその先にあるものを想像して、真っ赤になりながら、ぎゅっと目を閉じた。
ふふっ...少しだけ笑ってから、
優しく落とされたそれは、ほんの少しだけ震えていた...
...あああ、雅紀///
俺は夢中で、雅紀の首に手を回し、自分の唇を強く押しあてた。
雅紀が好きだ...
雅紀が好きだ...
雅紀のことが、好きなんだ、俺...
目尻から、何度も涙の粒が零れ落ちた。