第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜
その日。
雅紀は会社の人たちと飲み会があるから、
遅くなると言って出掛けた。
昼間も...そして夜も、一人で過ごす。
それにも慣れた。
兄弟のような関係の雅紀だけど、
俺は兄弟なんて思っていなかった。
閉鎖された空間の中。
外部と繋がることも許されない...
雅紀を守るために、俺は雅紀以外の人とは、何年もの間、話したこともなかった。
普通じゃ考えられないその状況の中で、俺は当然のように雅紀を愛するようになっていた。
実際にも、
雅紀は優しい。
かっこいい。
雅紀は、俺のすべてだった。
雅紀が好き...
もっと一緒に居たい...
抱き締めてもらいたい...
キス...したい...
雅紀と、
......繋がりたい...
アイシテホシイ......
でも、怖くて言えなかった。
嫌われたら生きていけない...
『俺はそんな気は全然ない』
そう言われてしまったら、俺はもう行くところなんかないんだ...
死ぬしかない...
だから。
隠し通さなくてはいけない。
雅紀を好きだっていう気持ちは、
知られたちゃダメなんだ...
俺は従順な弟を演じていた。
素直にいうことを聞く。
勉強も一生懸命にやる。
雅紀に褒めてもらいたくて。
ただそれだけで...
雅紀が遅くなるといったその日。
俺は風呂に入って、もう寝る用意をしていた。
時間はまだ夜の10時過ぎ...
飲み会の時は、雅紀は1時近くに帰って来る。
.........
ベッドに入って、俺はそっとパジャマの中に手を入れた。
ひとりでするのは、雅紀が遅くなるとき。
そう決めていた。
何を言われたわけでもないけど。