第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜
「どうする~?ここにいますよ、って言う?」
呑気に言う雅紀に、
「お願い!言わないで...帰りたくないんだ!
ここに置いて。いい子にするから。雅紀が嫌がることはしない...お手伝いもするよ!だから...」
雅紀は必死な俺に、にっこり笑って、頭をポンポンと撫でて言った。
「そっか...でも、君が見つかると、多分俺は逮捕される...未成年者何とか、っていう罪になるんだ。」
「......」
そっか...そうだよね。ダメだよね...
こんな俺が、ここに居ちゃ、迷惑だよね...
「でも~...帰りたくないんでしょ?だったら居てもいいよ。その代り、外には出ないこと。守れる?」
「うん!!守るよ。どこにもいかない!ここに居る!誰か来ても絶対に出ないから!」
こうして。
雅紀と俺の奇妙な共同生活は始まって。
雅紀のこのマンションが、俺のすべてになった。
幸い、高層階にあるこの部屋は、外から除かれる心配はないので、雅紀が仕事でいない間も、自由に動き回ることができた。
昼間は暇だから、雅紀の買って来た問題集や参考書を何度も繰り返しやった。
雅紀が買ってきてくれたゲームをしたり、
運動不足になるからと、ルームランナーを買ってくれ、それで1日に10㎞走ったりしていた。
そんな生活が2年ほど続いた。
俺達はすっかり兄弟のようになっていた。
この頃には、俺は時々なら雅紀と一緒に外にも出かけるようになっていた。
あの頃と違って逞しくなった俺を、知り合いが見ても、
直ぐには分からないだろうと思った。
身長も20㎝位伸びて、痩せっぽっちだった俺は、
一人前の男に成長していた。