• テキストサイズ

風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第24章 『恋人たちの棲み家』〜相葉×櫻井〜



雅紀は警察に連絡しないで、
俺のことを部屋に入れてくれた。

『知らない人についていってはいけない』と施設で教えられていた。

でも、そんな教えは、この時の俺にはもはや無意味だった。


だって。
死んでもいいんだから。
怖いものなんかない。
例え、この後この人に殺されて捨てられてしまっても...

それでも、構わない。


それにきっと、この人、悪い人じゃない...
俺は黙って、初めて会った雅紀の後についていった。


雅紀は俺を風呂に入るようにいい、着替えを出してくれ、ココアを入れてくれた。

こんなどこの誰ともわからない俺に、親切にしてくれるこんな人が、この世にいたんだって、始めって知ったあの日。

「好きなだけ、ここにいていいよ。
お家に帰りたくなったら、いつでも出ていって構わない。部屋の鍵は管理人さんに預けていけばいいからね...」


雅紀は、俺の素性や事情は聴かずにそう言って笑った。

その笑顔は今でも忘れない...
悪魔の家から逃げてきた俺にとって、
その笑顔は神様以上に輝いていたんだ。


今思うと。
初めて出逢ったあの瞬間から、恋に落ちていたのかもしれない...

15の俺が、大人の男の人に。
あり得ないけど...

男同士のそういう関係のことも、
全く知らなかった。

でも、あれは...
あの気持ちは、やっぱり恋以外の何物でもなかった。

ありきたりの言葉だけど。
雅紀との出会いは『運命』だったんだ、きっと。



その夜から、俺はずっと雅紀と一緒にいる。


/ 999ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp