第23章 『逃げなきゃ!』 ~櫻井×二宮~
何で逃げてきちゃったんだろう...
『当たり前だよ〜..男同士なのに』
何でそう言って笑えなかったんだ!
これじゃ、翔さんを好きだって、
そう言ってるのと変わんないじゃん!
走りながら、俺は心の底から後悔していた。
もう、
戻れないよ....
俺が、翔さんを好きだって...
みんなに...
翔さんに、バレちゃった。
男が好きな変態野郎なんだって、
みんなに分かっちゃった。
何だか泣けてくるよ...
気が付いたら、翔さんのことが好きだった。
いつもみんなの中心にいて、
頭が良くて、何しろイケメンだし。
人当たりもよくて、会話もスマートだから、
翔さんのことを悪く言うなんて、聞いたことがなかった。
だから好きになった訳じゃない。
理由なんか分からない。
でも、好きなんだから...
どうしようもないんだ...
可笑しいって思っても、
男だからって思っても、
止めることなんかできなかった。
それから、ずう~っと、
翔さんを...翔さんだけを見てきた。
付き合いたいとか思ってたわけじゃないんだ。
側に居られるだけで...ただそれだけでよかった。
『ニノ、ニノ』って。
少しだけ特別扱いされてる...
そんなのだけで十分だった。
なのに...
......もう、終わりだよ。
一緒になんかいられない...
俺は、翔さんから逃げて来たキャンパスの正門前で、立ち止まって泣き崩れた。
周りの学生たちが、ざわざわし始めたけど、
そんなの、どうでもよかった...
翔さんへの気持ちに、
もう決別する時が来たんだって...
そう思ったら泣けてきて、
止めることなんかできなかった...