第23章 『逃げなきゃ!』 ~櫻井×二宮~
俺達の『スイーツ研究会』
は、街で評判になっているケーキやお菓子を食べに行って、評価したり、インスタに載せたり。
店こだわりの原材料を調べて、他との違いを分析したり。
まあ、ただそれだけのことなんだけど。
5人以外募集もしてしてないし、
新しい部員も入れる気もない。
その日も。
雑誌で取り上げられた代々木上原のケーキ屋さんに5人で出かけた。
研究の調査を申し入れるのは相葉くんの役目。
誰にでも好かれる性格だから、
まず断られたりしない。
それでも、渋られたりしたときは翔さんが出ていく。
丁寧な言葉と、巧みな話術で、
落とせなかった店長はいない...
100戦100勝の勝率を誇る。
一度誰か、思いっきり断って欲しいくらいだよ。
「ニノ、こっち食べてみて~、ほら」
「あ、うん...美味し~!マスカルポーネは滑らかだよね~♪」
「ふふっ...ニノ、ここに、ついてる...」
そう言いながら俺の口元のクリームを指先で取って、徐に口の中に入れた。
その口元と、真っ直ぐな指から、目が離せない...
「ニノ~?口開いてる、口...」
クスクス笑う松潤に、俺は我に返った。
「もう~、翔ちゃん、その位にしとかないと、
ニノ、メロメロで、溶けちゃうよ~(^^)」
相葉さんも笑ってる。
「ねえ、翔ちゃん、ニノと付き合っちゃえば~?」
不用意な大野さんの発言に、
俺は息が止まった。
だって、翔さんが、俺をじっと見つめてるから...
.....い、い、息が...できない...
すると、翔さんはいつもの笑顔で、
俺から目を反らして、
「俺、そう言うんじゃないんだよね~...」
って。
笑いながら言ったんだ。