第23章 『逃げなきゃ!』 ~櫻井×二宮~
でも俺、
そんな立場に、ちょっと優越感を感じていた。
みんなのアイドル、櫻井翔は、俺んだしね~♪
ってね...
まあ実際、かなりご執心な信者、
じゃなかったファンもいて、
俺は、謂れのない怪しげなメール貰うのなんか日常茶飯事だし。
この間なんか、教授に提出したレポートが帰って来た時、画びょうが仕込んであって、指に怪我したんだ。
『まさか、教授も!?』って疑ったよ...
側にいた翔さんが過剰に反応して、
『化膿したら大変だから』って、
病院に連れていかれたのには参ったけど。
病院の看護師さんには、
「画びょうですかぁ~?」
って、露骨に嫌な顔されたけど、翔さんが
「ばい菌が入っていたらいけないので」
って言ったとたん、そのお姉さん、
もう目がハート...
「そうですよね~、そう言うの、大事だと思います」
ってさ。
はあ~、あほらし///
俺は、翔さんといるだけで、
そんな光景に何度も出くわし、
その度に呆れて...んで、
何でそんな翔さんが、俺のことこんなに気にかけてくれるのか?不思議でしょうがなかった。
俺と同い年の潤くんのことも、可愛がってはいたけど、俺に対するのとは違って、
俺のは、自分でいうのもなんだけど、
『溺愛』って言葉がぴったりだった。
だからさ。
みんなのアイドル『櫻井翔』に
こんなに特別扱いされて、
いつも横でカッコいいとこ見せつけられて、
俺が彼を好きにならない筈、ないでしょ?
俺だってそこそこモテたけど、
いつも側に翔さんがいて、
他のヤツに気が行く訳、ないよね~?
自分がノーマルだと信じていた高校生の頃に戻りたいぜ///