第22章 『僕は小さな管理人』 〜大野×櫻井〜
「お前さ、ほったらかし過ぎなんだよ!」
俺から仕掛けた。
...翔くんが可哀想だと。
案の定、智の顔色が変わった。
知ってるんだ...俺が翔くんの味方になって、
言い合いになったりするたび、
不機嫌丸出しになるんだよ...この人。
俺の方が、翔くんを知ってるっていう顔されるのが、堪らなく悔しいんだ。
だから......
「もっと翔くんのこと、大事にしろよ」
智が一番言われたくない言葉を投げつけた。
...顔が変わったね...それでいい...
もっと怒れよ...もっとだよ、智...ほら...
俺はさらに挑発し続け、これはヤバいと思った翔くんが止めに入ったけど、もう、遅かった...
「もう!お前なんかいらない!!」
「智!ダメだ」
翔くんが智の腕に縋り付くより一瞬早く、
「フィニート・インカンターテム!!」
.........終わった...
『呪文よ、終れ』
智が掛けた魔法で生まれた俺は、
智の呪文で、消えた。
これでよかったんだよ...
俺がいちゃいけない...
二人はもっと近づけるんだよ...
さよなら...翔くん...
楽しかったよ。
翔くんと過ごした時間は...
何にも代えがたい、俺の宝物だよ...