第22章 『僕は小さな管理人』 〜大野×櫻井〜
翔くんが、俺がいたテレビの前で動かない...
悲しんでくれてるの?
俺が消えたこと...
少しでも、淋しいって、
そう思ってくれてるの...?
「俺のこと、一番分かってくれてたのに...」
翔くんの声が涙声になる。
「だからだよ...俺より分かってる、みたいな顔してさ...」
智から、遂に本音が零れ出た。
「翔のとこ、翔の横で、いつも見ていたかったんだ...」
智。やっと言えたじゃん...
やればできるじゃん...
それでいいんだよ。
素直にホントに気持ち、伝えていいんだ...
翔くんならきっと、受け止めてくれる...
ホントはもっと早く、
智...
君にそう伝えなきゃいけなかったんだ...
でも...
俺は...
翔くんが好きだった...
翔くんと居たかった...
『翔くんに本音でぶつかってみろよ』
そう言って、智が動いたら...
俺の役目は終わるもの。
だから、言えなかった...
ごめんよ...
二人の邪魔してたのは、
俺だった...
翔くん、
どうか幸せにね...
智はいいやつだよ...少し我儘だけど。
誰より翔くんのこと、愛してるよ...
ありがとう...
君に出会えて、幸せだったよ。
さようなら...
さよう...なら...
遠くの空を、小さな星が、
ゆっくり流れた...
それは
誰にも気付かれない位の
小さな光だった。
【 END 】