第21章 『ぽけっとの中の秘密』~大野×二宮~
【智side】
ホントによかった....
元通りになって。
そう言えば、あの薬を作ってくれた親父、俺を見てもそれほど驚かなかったよな~。
寧ろ、また来たか、位の感じだった。
ってことはだ。
俺みたいになって、そこに駆け込んだ人は少なくとも他にもいるってことだ。
どんだけ如何わしい薬なんだよ///
もしかしたら、俺みたいになっちゃって戻し方わかんない人もいるかもしれないよな~...可哀想に。
↑すっかり人の心配してる余裕の人...
打ち合わせが終わって、帰り支度をしてると、松潤が、
「ほい、これ...一個どうぞ!」
って手のひらサイズの小箱を俺の手に握らせてきた。
「何?これ...」
「ほら、バレンタインのチョコレート。俺から、リーダーに❤」
「えっ?俺に~?」
......ニノがめっちゃ見てる。
やめてくれよ...松潤...お前の気持ちはうれしいけど、俺には、二宮和也っていう恋人が...
「ニノと二人で食べてよ♪」
「え...?」
キョトンとする俺に耳元で、
「媚薬入りのチョコレートだって...」
「わあああああ//////」
俺は大慌てで、その箱を放り出した。
...もう媚薬は懲り懲りだよ///
するとその箱を拾い上げながら、近づいてきた翔ちゃんが、
「大丈夫だよ...ちゃんとしたやつだから♪...絶倫系じゃなくって、いつもの3倍気持ちいいって代物だから...」
って...
「...いっ..いつもの、3倍..?」
「そ!...マジでヤバいよ...なっ?」
そう耳元で言ってから、松潤を見た。
松潤は、急に真っ赤になった。
...えっ???...なにその反応??
それじゃあ、まるで......
「ほら!!おじさん!帰るよ///」
ニノに鞄で叩かれて、俺はその箱をぽけっとに仕舞って彼の後を追った。