第21章 『ぽけっとの中の秘密』~大野×二宮~
.....何だろう...目蓋が重い。
でも、その向こうは、明るい...
誰かの話す声がする。
......楽しそうに、笑う声も。
懐かしい、聞き覚えのある、
大好きな、その声は....
..........!!!!!
「ニノ///」
慌てて身体を起こして笑い声のした方を見ると、ニノと、息の臭い親父が、俺の方を振り向いた。
「あ〜、智、起きたの〜?」
「....起きた..って..俺..」
「戻ってよかったね♪」
.....よかったね、ってのんびりし過ぎてやしませんか?っつ〜の///
大体なんだよ!
俺が死ぬかも知れなかったのに、何やってんだよ?二人して....
「あ?これ?マジック♪」
「これマジックじゃないよ、マジックじゃ!人がこんな大変なときに! 何やってんだよ!」
頭から湯気を出す勢いで怒っている俺とは対照的に、ニノはのんびり笑った。
「だって、アジャトさんが、もう大丈夫だって言うし、待ってる間暇だから、マジックでも見せてやろうかと...」
「アジャト..さん....ってさ...」
「あなた、もどって良かったじゃん♪...いいけどさ、何か着たら~?」
着たら......?
ふと我に返ると、なんとっ!?
生まれたままの姿で、あほみたいに突っ立っていた。
親父の視線が......
「み、見んなよ///......かずなり、俺の服!」
俺は、ニノが出してくれた服を着て、漸く落ち着いた。
俺たちは、薬を作ってくださったお父さんに、
↑急に呼び方変わってますけど...
それ相応の謝礼を支払って、帰ることにした。
彼は、『また来てくれ』、的なことを言ったらしいけど、『二度とごめんだ』と思った。