第20章 『美味しく召し上がれ』〜二宮×櫻井〜
翔くんが、この後俺に語った事実は、まさに衝撃的な内容だった。
翔くんは本当は、宇宙から来ていて...
まあ、
世間一般ではこういう人を『宇宙人』ってそう呼ぶ。
限られた時間の中で、自分に最良の相手を見つけるという使命をもって地球に来ていたらしい。
そして、出会った俺にひとめぼれ...
それからは、今まで一緒に見てきた内容な訳です。
↑誰に話してるんじゃ~??
まあ、嘘と言えば、古本屋のバイトはしていなくて、その時間は時空間に隠した宇宙船に戻って、地球のことを研究していた...と。
もちろん、当然、実家が八王子っていうのも嘘で。
俺と離れて自分の星に戻った翔くんは、
俺から採取した精液を、
↑採取とか言うな!採取とか...(^^;
ベイビーセンターに持ち込み、培養して特殊な装置の中で、翔くんの精液と結合させ、しょうやを誕生させた...というんだ。
だから正真正銘、しょうやは俺と翔くんの子どもで、生まれて、やっと宇宙船に乗れるようになったから、帰って来たらしい。
「勝手に子ども作ってごめんなさい...でも、それが、俺がまたニノの元に帰ってくる条件だったから...」
俺は、翔くんの腕の中ですやすや眠る子どもをまじまじと見た。
そう言えば...目元は翔くんによく似ている。
口は俺だよな...絶対...
......もういろんなことが、着いて行くのに精いっぱいの内容で...俺は一気に10歳くらい年を取った気分だった。
でも、
帰ってきてくれた翔くんと、俺たちの子どもと。
訳は分かんないけど。
何だか嬉しくって。
幸せだった。
「おかえり」
やっとそう言った俺に、
「ただいま、ニノ...」
翔くんはそう言って口づけた。