第20章 『美味しく召し上がれ』〜二宮×櫻井〜
「......翔くん...?」
声を掛けると、その人はゆっくりと振り返った。
「ニノ!!」
えっ??
嘘だろ??
......なんで??
俺に駆け寄るその人は、まぎれもなく翔くんその人、だったんだけど。
驚いたのは、翔くんが帰ってきたからじゃなくて、
その腕に、
......その手の中に、子どもが...
「ニノ~///真っ暗で、どうしたのかと思って....でも、よかった~...会えなかったらどうしようかと思っちゃったよ!!」
「あの...翔くん、俺の連絡先知ってるし...
帰ってくるなら、前もって知らせてくれれば...」
翔くんが言うには、携帯を置いて行ってしまい、初期化されていて、俺のアドレスとか、無くなっていたって...
よかった~...会えないとこだったよ~...
......じゃなくて...その子どもって...
「パパ!!」
そう...パパが...
えっ???
パパ??
驚いて、息も出来ない俺に、翔くんは恥ずかしそうに頬を染めながら、
「俺とニノの子どもだよ...しょうや、って言うんだ...名前...」
「.........」
↑お願い!息だけはしてっ!!!
「ほら、しょうや、パパだよ♪」
「パ..パ...」
そのしょうやと呼ばれた子は、俺の方に手を伸ばした。
...えっ??でも...だって...???
思わずその手を取って抱き締めると、
翔くんと同じ、甘い匂いがした。
「パ~パ...」
パパ?
俺がパパ??
何が起きているのか、もうパニック通り越して、放心状態の俺を、翔くんはニコニコ笑って見ていた。