第19章 『ささのはさらさら scene2』~松本×大野~
「潤...俺は...」
ゴクリッと、大きな音を立てて俺の喉が鳴った。
心臓が、破裂すんじゃね~かってくらいにドキドキしてる。
「......俺で、いいの?潤のそばにいるの...
俺で、ホントにいいの?」
むち打ちになるんじゃないかって位に、
俺は首を縦に振った。
「...潤...じゃあ、はめてよ...」
そう言って左手を出した智。
俺は、一回り小さい方のリングを取って、
その薬指にはめた...
...はめ...た...あれっ??入んね~///
何で?そんなはずは...
焦るから、余計に上手くできなくて、
智は笑って、自分で指の付け根まで押し込んで、その指輪を日にかざした。
その横顔が、ドキッとするほど綺麗で、俺は息をするのも忘れて、見惚れていた。
「じゃあ、潤にも...」
えっ??なに?...あっ、指輪か...
智が俺の手に残ったリングを持って、
俺の左手の薬指にはめた...
今度はするっと、スマートに通った。
俺は、その指を見ながら、涙が止まらなくて...
「...ふふっ..泣くなよ~...」
そう言いながら、智が左手で俺の頬の涙を拭ってくれた。
「智...智......さとしぃ~//////」
俺はその手を引き寄せて、智の細い身体を、思いっきり抱き締めた。
智は、泣きじゃくる俺の背中を、何度も優しく撫でてくれていた。
それから、俺は、試合のことを思い出し、
智は片付けて、店を閉めるって言うから、
またここで待ち合わせをして、一旦別れた。
......やべぇ~//////
走る俺の頭に、翔くんの怒った顔が浮かんだ。