第19章 『ささのはさらさら scene2』~松本×大野~
「...何...やってんの..こんなことで?」
「...何って...見りゃ分かんだろ~?フランクフルト、売ってんだよ..」
智..智....智...本物だ~(;O;)
「...智...智......さとしぃ~//////」
俺は、車の横に開いた販売ブースに伸びあがって、その中にいる智を抱き寄せた。
「ちょっ...潤...待ってって...」
「さ~と~し~///なんで居なくなったんだよ~///俺ずっと、智のこと...探してたのに...
なんで、こんなとこに居るんだよぉ~///」
夢の様だった。
いつか会える、って...
そう信じてはいたけど、
実際にその奇跡を目の当たりにすると、もう、何が何だか分かんなくって///
俺はもう、泣きじゃくって、
腰を屈めた智にしがみ付いていたから、
子犬の飼い主の男の子が、不思議なものを見る様な目で、俺のこと見ているのに気付かなかった。
「ちょっと、潤///待てってば...」
力尽くで俺の腕を引き離し、智は車から降りて来て、その子に言った。
「お前も、これ食うか?」
何度も首を縦に振るその子に、智は売り物のフランクフルトを1本渡して、
「もう、逃げらんないように気を付けろよ!」
と笑った。
それだよ!!!それ!!
俺がずっと見たかった顔は///
子どもが子犬と一緒に何度も振り返り、手を振って行ってしまうのを、智はずっと笑顔で見送っていた。
俺は、少し冷静になってきて、
さっき、脇目もふらずにこんな公共の場で、大騒ぎしてしまったことを恥ずかしく思っていた。
そんな俺を、振り返った智が、優しい笑顔で見つめている。
変わらない...大好きだった笑顔だ。
俺が涙をいっぱい溜めて、智を見ていると、
智は笑って、
「おいで♡」
と両手を広げてくれた。