第19章 『ささのはさらさら scene2』~松本×大野~
激しい攻めに、智は意識を飛ばしてぐったりと俺の腕の中にいる。
この人、俺より10歳以上も上なんだぜ~...
なのにさ、この可愛さって、マジあり得ないわぁ~
あどけない顔で俺に身を任せる彼が、
堪らなく愛しくて、
俺はそっとその首筋に唇を落とし、
朱い痕を残した。
俺のもんだ...
誰にも渡さない...
この人が、今まで何人の男と付き合って、
こんな姿を見せてきたのかと思うと、
それだけで苦しくて、嫉妬の炎が燃え上がる。
ずっと離さないよ...
誰が何と言おうと、もう智しかいらない...
女なんかにもう何の興味もない。
智の後ろから、俺の欲が流れ出るのを見ながら、俺は、この人を繋ぎとめて置く手段を考えていた。
......愛してるんだよ...
学校で、初めて智を抱いた。
しかも、お日様が降り注ぐ、午後の美術研究室。
その甘くて、淫靡な経験で、
ますます俺は大野智にのめり込んでいった。
テストが終わって、晴れて俺たちは部活に出られるようになって。
順位も、前の時より30番上げた。
何よりも、大野先生に褒めて貰うため。
「よく頑張ったね」って、頭を撫でてもらうため...
なのに...
1週間の出張が終わっても、大野先生は学校に来なかった。
電話しても、出なくて、LINにも既読がつかない。
マンションを訪ねてみたら留守で...
毎日行っても、新聞はポストに溜まったままだった。
何で??
どうしたんだよ??
......智...どこにいっちゃったんだよ///
落ち込む俺の耳に、翔が運んでくれた真実は、
あまりに残酷なものだった。
『大野先生は退職した』と...
嘘だろ?
何かの間違いだよな??
智が、俺に黙ってどっかに行くはずない///
......そうでしょ??
智!!!どこ行ったんだよ///