第16章 『紅葉見に、いこ〜よ〜 ♪』〜相葉×大野〜
奥にあるベッドの上と、その下...
無数に散らばる、色とりどりの、もみじ...
「...なに?...なんで?」
部屋の間接照明が、たくさんのもみじを効果的に、幻想的に映し出す。
大ちゃんは、暫くその光景に言葉を失ってたみたいだけど、我に返って俺のことを見た。
「これ、どうしたの?」
「あそこから持ってきたやつだよ...どう?」
大ちゃんは、もう一度ベッドを見ながら、
「すげ~綺麗...ちょっと感動した...でも、これ、
宿の人に怒られるんじゃ..」
「大野さん」
「へっ?」
急な俺の『大野さん』呼びに、大ちゃんは目を丸くした。
...ふうぅ~...
大きく深呼吸してから、
「相葉雅紀は、大野智が好きです」
「....え..」
「ずっと、好きでした..絶対に大切にするから、
俺と...付き合ってください///」
言った!!!噛まないで言えた!
何十回も練習した成果だ///
俺は大ちゃんに向かって頭を下げながら、
心の中で、ガッツポーズをしていた。
「......」
何も言わない大ちゃん...俺はもうここから逃げ出したかった。
「相葉ちゃん...」
「はい...」顔を上げると、彼は眉を下げて俺を見ていた。
「俺のこと...大事にしてくれんの~?」
「えっ?...う、うんうん///」
「...俺、好きな人に失恋したんだけど...」
「知ってるよ...翔ちゃんでしょ?」
「えっ??」
どうして知ってるのって顔してるね...
バレてないとでも思ってたの?
「翔ちゃんがまだ好きなら、それでもいいよ。
翔ちゃんを好きなまま、俺が受け止めるから...
んで、いつか絶対、翔ちゃんのことなんか、
忘れさせてやるから...」